委員長: 芳賀 洋一 (東北大学)
副委員長: 佐川 貢一 (弘前大学)
幹事: 永野 光 (東北大学)
(2018/6/23更新)
講師: 妻木 勇一(山形大学大学院理工学研究科 機械システム工学分野 教授)
生物のナビゲーションをシステム科学的に捉えようと、制御工学、データ科学、生態学、神経科学の専門家が結集し、新学術領域「生物移動情報学」がH28にスタートした。生物の体にロガーを取付け、回収し、行動データや生体データを解析するバイオロギングサイエンスは強力な方法の一つである。我々は、ロボットテクノロジーと環境駆動を応用し、マッコウクジラの謎に挑戦するための新しいロガーシステムを開発している。開発中のシステムを中心にこれまでの取組みを紹介する。
講師: 峯田 貴(山形大学大学院理工学研究科 機械システム工学分野 教授)
触覚は視覚と聴覚に次ぐ情報量を検知しうる有効な手段であり、目視が困難な状況におけるハプティック情報伝達、視覚障害者への情報提示、仮想現実(VR)での現実感増大などを目指した有効なツールとして様々な触覚ディスプレイが開発されてきている。MEMS(微小電気機械システム)技術を用いた形状記憶合金(SMA)タイプ等を中心とした超薄型の触覚ディスプレイ素子の開発例と触感提示への応用について紹介する。
講師: 池田浩治(東北大学臨床研究推進センター 開発推進部門 部門長/特任教授)
医療機器の技術は必ずしも最先端技術とは言えない。一方で、最先端技術を用いた医療機器だからといって実用化できるとも限らない。医療機器開発の世界的な流れの中ではニーズプル(社会的課題に基づいた研究開発)という考え方が隆盛であるが、それだけでも実用化には至らない。ここでは、医療機器開発を実用化に繋げるために必要なことについて考えたい。
講師: 上野高史(久留米大学病院循環器病センター 教授)
冠動脈インターベンション(PCI)はイノベーションの歴史でもある。この40年間で血管内治療デバイスは目覚ましい進歩を遂げ、複雑病変にも対応可能となった。しかしながらPCIを行う術者を取り巻く環境はほとんど変化がない。海外のデータでは術者の放射線白内障、整形外科的障害のみならず、左脳に脳腫瘍の発現が多いことが報告されている。今回のロボットPCIでは、術者はベッドサイドからシールドされたコックピットへと移動し、ガイドワイヤー、バルーン、ステントの位置決めを行うことができる。被ばく量は90%以上の軽減が可能と言われている。本講演では、術者ができること、術者のメリット、さらに患者には何がもたらされるのかにつき考察したい。
講師: 島田順一(京都府立医科大学 心臓血管呼吸器外科 病院教授)
医学と工学の連携研究、ひいては産学連携研究をへて実社会に成果を還元できる研究開発スキームに期待が集まっている。公立医科大学所属という工学とは距離を置いた立場のなかで、医工連携研究を進めるには知的財産権を申請取得することが不可欠であった。臨床医による医療機器開発の実例と医工連携オープンイノベーションへの挑戦について述べる。
一般的な内容、関連行事掲載のご希望は下記までお問い合わせ下さい。
永野光 (第1地区委員会幹事)
〒980-8579 仙台市青葉区荒巻字青葉6-6-01
東北大学大学院情報科学研究科
TEL: 022-795-7025
e-mail: nagano(at)rm.is.tohoku.ac.jp